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現実との調和 [diary]

6月8日 午後5時。
厚い雲が低く、霧雨の降るどんよりとした灰色の夕方。

蒸し暑さで窓を開けた。

何の気なしにジョン・ケージの『Cheap imitation』をかけた。
買ったときに一度だけ聴いたが、ほとんど覚えていない。

「BAND」というタイトルの曲だが、単音のピアノソロ。
すべてがバラバラに崩壊されてしまったかのような曲。


金槌で釘を打ち付ける音が意識に混じり合う。

次第に意識される、何かを引きずるような音や、
何かが通り過ぎていくような音。

近所の新築工事の騒音がピアノの音と融和している。

この曲は周囲の騒音とともに完成されることに気付く。

子供たちの笑い声、走りまわる足音。
車が通り過ぎる音。

それらの騒音が音楽となって、完璧な音色で絶妙に調和していた。


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