POCO #46 [P◆Poco]
この人というか、この猫も、おかげさまで14才になりまして、
人間にたとえたら.......、っていう感じです
とは言っても全然元気でして、毎日走り回ってるし、毎朝4時には起こしに来ます
ところで、♀猫ってみんなそうなのか分かりませんが、
この猫からも母性本能というか、家族愛みたいなものを感じます。
たとえば、私が食欲不振でご飯を食べずにいると、
必ず呼びに来て、自分のエサが置いてある場所まで私を誘導し、
エサの入った皿の前に座って「ニャー」と鳴きます。
それがいつも私の耳には「これ食べていいよ」って聞こえます。
(はい、頭おかしいです)
さすがにそれは遠慮させてもらうのですが...。
じゃあ、そろそろご飯にするかな、ってことで食事の支度をし、
(なんと私はご飯を作ったりもします。非常に簡単な。味はさておき...)
一応念の為に、この猫が食べられるものも少しだけ用意するのですが、
それには手を付けず、ただじっと座って私が食ベるところを見ると、
満足げに(完全に主観で言ってます)何処かへ消えてしまいます。
(とは言っても家猫なので外には出しません)
いや、きっとそうなんです。
この猫が私の家族(といっても一人ですが)の一員なのではなく、
私が、この猫の家族の一員なんです。
...まぁ、そんな温かい逸話を書くと、
「この人、もしかして、いい人なのかなぁ...」
って思われようとしてますよ、もちろん。
disappearing moment #38 [poem]
調和を知りたければ、
噛み砕いたチーズで口の中を満たし、赤ワインを流し込めば良い。
異なるものどうしでなければ味わえない。
untitled #247 [P◆Disappearing Moments]
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disappearing moment #37 [poem]
ゴヤの『自慰する男を嘲る二人の女』という絵には、
頭の弱そうな男が陶酔しているのを見て笑っている女が描かれてある。
一言でいえば「馬鹿な男の自慰行為」というグロテスクさがある。
だがそれだけではない。
その様を見て笑う女の表情も同様にグロテスクであるという構図だ。
そして、
その絵を見て思わず笑う私の顔もまた、同じようにグロテスクなのだろう。
ちょうど絵の中の男がこちらを見て薄ら笑いを浮かべるように。
disappearing moment #36 [poem]
さんざん言われてきた事だが、絵画において技術は必ずしも重要ではない。
「視る能力」「決定する能力」の方がはるかに重要なのだ。
ロスコやポロックなどの抽象絵画を観て「こんな絵、自分にも描けそうだ」
などと言う、芸術に無知というよりも無能な人間は少なからずいる。
そのような人間が画家に憧れて抽象画を描く行為は、
チンパンジーが筆を持って絵の具を叩き付ける行為と大差はない。
むしろチンパンジーが描いた絵の方が学術的には興味深い。
プロセスを感じられないドローイングに意味が無いように、
優れた技術を駆使して描かれた絵でも、「視る能力」と「決定する能力」を欠いていれば、
同じように価値はない。
ゴヤの『自慰する男を嘲る二人の女』のように、自慰行為は嘲られる。