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A.I. [ARTIFICIAL INTELLIGENCE] [movie]

私は何度か、ロボットが整然と並ぶ映像を幻視したことがある。
その所為か、ロボット(人工知能)が身近な存在として人間社会に貢献する未来を、あまり違和感なく受け入れることが出来る。
(ただ、私の幻視したロボットたちは、人間のような皮膚や顔はなく、無機質で冷ややかな存在ではあったが...)
それはさておき、

キューブリックは早くから、人工知能の可能性をテーマにした映画の構想を膨らませていたが、その構想を映像化させる上で、もっとも適した監督はスピルバーグであると語っていた。
「自分が撮ると哲学的な映画になってしまうが、この映画は広く受け入れられる必要がある。その点、スピルバーグは適任だ」

キューブリックにとって重要な案件でもあったこの映画を完成させるにあたって、彼自身の主体を脱中心化させることで社会的責任を果たそうとした、とも考えられる。

それはスピルバーグについてもいえる事だろう。
キューブリックの絶大なる信頼のもと、それゆえに期待される自身の能力と、キューブリックの偉大な才能との間のパラドックス上で、彼自身、脱中心化される瞬間があったはずだ。

そういった意味においてこの作品は、映画界に多大な功績を残した二人の巨匠の脱中心化されたスピリット、という重層的構造を持っている点で興味深い。

「広く受け入れられる」という点においては、実際には賛否両論ではあるようだが、個人的にはチャレンジング・スピリットが感じられる、好きな作品である。

キューブリックが生きていたら、こう言うだろうか。
”S・キューブリックに捧ぐ”という文字が余計だ」

さて私達ひとり一人は、未来をクリエイトする必要性と責任があることについて考えさせられる。



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